第22回海外研修


平成17年10月19日〜10月24日にかけて
     職員19名がアメリカのロサンゼルス、サンディエゴにて研修を行いました。

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日 程
UCLA MEDICAL CENTER
CASA DE LAS CAMPANAS
SAN DIEGO HOSPICE&PALLIATIVE CARE
UCLA SCHOOL OF DENTISTRY
研修者からの報告





日  程
研修期間 平成17年10月19日〜10月24日
研修先 アメリカ ロサンゼルス・サンディエゴ
研修施設 -----------------------
UCLA MEDICAL CENTER
 《UCLA医療センター》
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CASA DE LAS CAMPANAS
 《カーサ デ ラス カンパナス》
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SAN DIEGO HOSPICE&PALLIATIVE CARE
 《サンディエゴ ホスピス&パリアティブ ケア》
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UCLA SCHOOL OF DENTISTRY
 《UCLA 歯学部》
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研修参加者 19名 (看護部15名・医療技術部3名・事務部1名)
研修日程
月日 スケジュール
10月19日(水) 郡山発 成田空港着
ロサンゼルスへ(約10時間)JL便
・・・・・日付変更線通過・・・・・
ロサンゼルス着後、市内半日観光






宿

10月20日(木) 午前 UCLA メディカルセンター 視察
午後 ゲッティ美術館 見学
10月21日(金) サンディエゴ 専用車で移動(約3時間)
午前 カーサ デ ラス カンパーナス見学
午後 ホスピス&パリアティブケア 見学
見学終了後専用車で移動、ロサンゼルス着。
10月22日(土) 自由行動 (オプショナルツアー)
10月23日(日)

10月24日(月)
ロサンゼルス発 JL便
・・・・・日付変更線通過・・・・・
16:20 成田空港着
22:00 郡山着
 

視察先概要
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1)UCLAメディカルセンター
 1955年開設のカリフォルニア大学ロサンゼルス校の医学部。USニュース&ワールドレポート誌では、現在第5位にランクされている。678ベッドのフルサービス病院として、1400人の正規医師、790人の実習医、3500人からの助手を抱えている。包括的な腫瘍科と移植手術、心臓外科手術、老人医学部門、神経科、泌尿器科などの部門で先駆的な役割を果たしている。
救急医療部門の受け入れ体制、チーム医療のあり方,スタッフの役割について学ぶ事が目的。

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2)カーサ デ ラス カンパーナス 見学(サンディエゴ)
 退職者コミュニティにある非営利団体の継続介護施設。健康な高齢者から健康に問題のある高齢者まで12のプランから選んで居住できる退職者コミュニティである。ヘルスセンターは、99床からなり、短期的なリハビリテーションから長期的なケアまで24時間体制で看護・ケアが受けられる。
  退職者コミュニティでの生活の様子・ケアのあり方について学ぶ事が目的。

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3)ホスピス&パリアティブケア 見学(サンディエゴ)
緩和ケアに非常に力を入れ28年の歴史がある施設。終末期にある人々が疼痛、死への恐怖、孤独感を感じることなくよりよい生と死について向き合えるように考えてケアを提供している。終末期ケアのありかた、緩和ケアの実際、スタッフの役割について学ぶことが目的。

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★UCLA MEDICAL CENTER★

UCLA医療センター



1955年開設のカリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部付属のメディカルセンター。
世界的にもトップレベルにある病院であり、1998年から全米病院総合ランキングで5位以内にランクされており、アメリカ西部では16年連続“最も良い病院”にランクされている。ベッド数700床、医師1000人以上、医療従事者3500人以上という大規模な大学病院。




カンファレンスルームにて説明を受けた

ハロウィンの飾りが散見する病棟

重症者収容も可能なユニット

メディカルセンターの外観



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★CASA DE LAS CAMPANAS★

カーサ デ ラス カンパナス



健康な高齢者から健康に問題ある高齢者まで12のプランから選んで居住できる退職者コミュニティである。ヘルスセンターは99床からなり、短期的なリハビリテーションから長期的なケアまで24時間体制で看護・ケアが受けられる非営利団体の継続介護施設。




施設外観

入所者との交流

ダイニング・ルーム

現在建設中 認知症専門の2床室


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★SAN DIEGO HOSPICE&PALLIATIVE CARE★

サンディエゴ ホスピス & パリアティブ ケア



南カリフォルニアで唯一のホスピス入院施設(個室24床)を持ち、末期患者とその家族に関わる人々に対し、質の高い身体的・感情的・精神的看護を行っている。また教育と研究を通じ健康管理機関と地域に対し役立つ事を使命としている施設です。1977年設立。




美術館の様な廊下

礼拝堂

家庭的な雰囲気を大切にしている
病室

メモリアルポイントにあるモニュメントには
故人の写真が飾ってある

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★UCLA SCHOOL OF DENTISTRY★

UCLA 歯学部



研修参加の歯科技工士が恩師である岡部先生(顎顔面補綴&インプラント科Laboratory Director)を訪ね、アメリカの歯科治療の現状やシステムをレクチャーして頂いた後、ラボスタッフより臨床ケースを用いて顎顔面補綴エピテーゼの製作過程など解説頂いた。




インプラントによる上顎義歯

患者さんに合わせステイニング

製作中の耳介エピテーゼ

顎顔面補綴物(エピテーゼ)


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研修者からの報告


海外研修報告「新病院に何が活かせるか」
星総合病院 外科病棟 佐藤

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【UCLA見学から】
 今年50周年記念のUCLAでは、2007年完成予定で新病院の建設中でした。全ての機能とベッド(525床)が新館へ移転予定であり、そのコンセプトは「癒しと先進医療の融合」と聞きました。天然光をふんだんに取り入れヒーリングな雰囲気を作り出し、そこに最新で最高の設備を置き「安全と最高の環境を提供する」予定とのことでした。一流の技術と、一流のパーソナルケアを目標にしているとのことです。
 業務専門のナースマネージャーからの説明やERの見学からも、「安全」と「満足」のキーワードは今後当院においても不可欠な要素であると実感しました。また非常にユニークだったのは、毎日「何か問題はありませんか」「何をしてほしいですか」「何が大切ですか」などの項目を看護師が患者に尋ね、そのデーターを一元管理し、必要に応じ看護師以外のスタッフ(例えば支払いの問題ならケースワーカー)を派遣するなどコンピューターを活用している点なども参考になりました。新病院では電子カルテシステムの必要は言うまでもなく、TQM(総合的品質管理)、薬剤管理や副作用チェックシステム、患者個々の診療歴・紹介先との連絡網など、「どの情報を何に活用していくか」その議論も重要と考えます。

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【カーサデラスカンパーナス介護施設見学から】
 この介護施設は、65歳以上の高齢者政府保障のメディケアからの保険と、利用者からの管理費で賄う非営利団体でした。独立タイプの高齢者入居施設(入居費3000万円前後、毎月平均22万円・年4%アップ)の後方的役割を担っており、要介護状態になった利用者に必要な介護を提供する機能と設備を有しているというものでした。アメリカにおいては老後も自己責任で過ごす方向に変わってきており、終身のケアを保証したこの施設は人気があり、95人(2〜3年)待ちということでした。また来年完成予定の認知症専門棟27床は、失禁センサーや監視モニター・リストバンドセンサーなどを組み込んだ施設になる予定との事でした。
 日本における高齢化はアメリカの比ではなく、当院のオリオンにおいても入所者の50%を超える認知症の割合を考えると、認知症高齢者の対応は当事者と家族の責任と考えたり、老健施設だけでは解決できないと思います。新病院は急性期医療を担う一般病院の予定ですが、高齢者や認知症問題も大きな問題と思われました。

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【ホスピス&パリアティブケア見学から】
 ホスピスは町が一望できる静かな高台に建ち、24床・完全個室、家族・ペットの出入り自由、画一的な規則による縛りはなく、絵や書物に囲まれた静かな環境でした。ここでのパリアティブ(緩和)では疼痛コントロールは最も重要であり、その他にも症状やメンタル、スピリチアルに至るまで「その人の望むこと」の実現に向け、ケースマネージャー(看護師)を中心に専門家やボランティアがチームとなって看取りをサポートしていました。また在宅が基本であり一日800人の患者を訪問しているということでした。このホスピスを設立・運営するにあたって「寄付とボランティア」は絶対条件であり、キーワードは「在宅」と「チーム医療」でした。
 日本における緩和ケアでは、グリーフケア(死別ケア)にコストは付きません。緩和ケア病棟と認可されても、一定額以上は病院の持ち出しとなり採算ベースには合いません。何より「治療でなく緩和」を選択する患者や医師も少ないのが現状です。もし当院に緩和ケア病棟が併設できたら、まずは職員の教育・地域への啓蒙・チーム医療のための多職種の連携が重要課題と考えます。

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