第25回海外研修



平成20年度第25回海外研修では、オーストラリア・ブリスベン市にある3施設を研修して参りました。研修期間は10月5日〜10日の4泊6日でした。
事業本部星北斗本部長(現理事長)をはじめ臨床工学士菊池を研修リーダーに総勢23名がオーストラリアの医療を学んで参りました。
●研修期間  平成20年10月5日〜10月10日
●研修先    オーストラリア クィーンズランド州 ブリスベン市
●研修参加者 23名 (本部長・研修医7名・看護部12名・医療技術部3名)

●研修日程
月日 スケジュール
10月5日 14:30
21:30
 郡山発 
 成田空港発 ブリスベン行きJAL761便(約9時間)
10月6日 7:00

14:00
 ブリスベン着 
 ローンパイン動物園(コアラや、カンガルーなど見学へ)
 ゴールドコースト着  自由行動
10月7日 午前
午後
 RBWH ロイヤルブリスベン&ウィメンズホスピタル 視察
 TPH トゥーウォン私立病院 視察
10月8日 午前
午後
 ベルビューケアセンター 視察
 自由行動 (各種オプションツアー)
10月9日 終日  自由行動(各種オプションツアー)
10月10日 8:50
16:45
23:30
 ブリスベン発 成田行きJAL762便
 成田空港着
 郡山着

ページのトップへ戻る


●視察先概要

Royal Brisben and Women’s Hospital (RBWH)

総病床数948床、 医療従事スタッフ数3000人以上 
平均在院日数5.9日
入院時にコーディネーターが退院計画を作成。
入院期間を短縮するために他職種の多角的視点から考えられている。

【循環器疾患】
CCU 14床 心臓カテーテル検査室は2室。
RBWHでは早期退院を目指し、リハビリなどは外来もしくは開業医で行っている。
外来での様々検査(心電図や、超音波検査)などが、専門病棟と同じフロアー(階)で行えるようになっているため、非常に効率よく運用されており、利用者にやさしい設計となっていた。

【精神疾患】
精神科病棟は病床数132床。(急性期精神科疾患対応ベッドは4床)
興奮時は拘束せず、薬物鎮静・隔離室の使用にて対応している
基本は開放病棟だが施錠可能な病床が重症患者用の3床と隔離室1床。
精神科の平均在院日数は9日間
 
カテーテル検査室 CCU
スタッフ休憩室(手術部)
精神科患者の作品(壁画) 精神科患者の作品 保護室
精神科病棟スタッフ        視察担当



Toowong Private Hospital (tph)
創設1976年 精神科専門病院として開設
病床数は54床
スタッフ数 看護師(常勤職員25名、臨時職員10名)、夜勤勤務時は4名
平均在院日数15日 専門医(GP)は30名が登録しており、この病院を使用して診察・入院・治療を行う
常勤の医師はおらずその日により医師が変わる
外来治療として、おもにプログラム医療を実施されている。
PTSDプログラム、鬱・不安障害CBTプログラム、退役軍人などへのリハビリプログラム、認知行動療法など
また、単純鬱(うつ)や、人格障害などに麻酔下でのECT(電気痙攣療法)も行われている。
公立の病院から比較的状態の落ち着いている患者が送られてくる。
施錠可能な部屋もなく、隔離できる個室もないため急性期の患者は少ない。
様々な作業療法が取り入れられている。(例:太鼓、ヨガ、絵画等)
tphの外観
ECT治療室 ヨガ・プログラム室
病棟内 各種太鼓



Bellevue Care centre
 創設48年
 ベッド数 99床 (内訳:ハイケア43床(認知症6名)、 ローケア56床(認知症13名))
 職員 128名
 私立の高齢者ケア施設で、ナーシングホーム(ハイケア)とホステル(ローケア)の両方の機能を有する。
 施設の感染対策や、疼痛コントロールプログラムを積極的におこなっており、またスタッフの離職防止にも様々な対策を講じている。

 【入居までの流れ】
 行政機関にハイケア、ローケアの申請を行い、認定をもらう
 ⇒各施設を見学する
 ⇒希望施設が検討後、待機者リストへ記入
 ⇒入居が決定したら、同意書にサインをする
 ⇒統括評価を行いケアプラン作成
 ⇒入居費用等は、入居予定者の資産状況から算定され、公費と自己負担で支払う

施設外観
多目的スペース[屋外] 多目的スペース[屋内]
談話室 レクリエーション風景
施設内[ローケア] 庭園[認知症患者用]
施設のペットたち
ある日の昼食[ローケア]

まとめ

【RBWH】
@在院期間の短縮を計画的に行っていることがわかった。当院でもクリニカル・パスをあらゆる疾患に利用するなどして短縮が図れるよう取り組んで行きたい。
A広大な敷地を有しており、フロアに余裕をもった設計であった。

【トゥーウォン私立病院】
@事件や不満に対し、CPI:言葉による鎮静化行っていた。また、だれがfollowするか円滑に進むように職員を教育し、リスクマネジメントとして事件や不満の統計を取っていた。当法人でも、是非取り入れリスクに迅速に対応して行きたい。
A退役軍事人やうつ・神経症の同じメンバーでのデイケアを行っている。当法人でも、断酒会などを実施しており、他の疾患に関しても同様の試みを実現したい。
B患者の情報を決まった用紙(Crinical admit ion initial contact)で情報をまとめケアプランを作成している。当法人でも入院時に不安のレベル・自殺のリスク・攻撃性・逃亡傾向などをスコアリングして詳しく評価するような仕組みを取り入れてはどうか。

【ベルビューケアセンター】
@入居者・職員の子供が学校から直接施設まで来て、親の仕事が終わるのを待機できる場所がある。
また乳幼児のためのプレイルームがあり、当法人でもより入居者と家族の触れあえる場所を提供できるようにしたい。
A利用者にもエクササイズた栄養価の高い食事を提供し、健康管理および月1回のケアプランの見直しを行っている。当法人でもケアプランの見直しを行う期間について再考して行きたい。
B職員は128名と多く、空調を頻用せずに室温が保てるようになっている。また転落・転倒時の衝撃を和らげるような材質を使用するなど、利用者に配慮した施設設計になっている。

ページのトップへ戻る



ページのトップへ戻る


HOMEBACK