星総合病院心臓病センター
循環器内科



ご挨拶


 心血管疾患治療の進歩には著しいものがあり、まさに日進月歩という表現がぴったりです。特に現在、私たちが力を入れて行っているカテーテルを使って冠動脈を拡げる治療は1977年に始まった比較的まだ若い治療法で、当初は風船で拡げる方法しかなかったのですが、現在ではより安全性の高いステント治療(ステンレスの金網で血管を拡げる方法)を約80%の患者さんに行っております。必要に応じ、血管の中に蓄積した粥腫を削りとる方法なども併用し、個々の患者さんにあった治療法を選択するように心掛けております。この治療法で最も難しいのは、血管が詰まって何年も経過してしまった場合(慢性完全閉塞)です。このような慢性完全閉塞はバイパス手術を受けて10年以上経過した患者さんに多くみられますが、知らず知らずのうちに閉塞している場合もあります。このような患者さんに対する私たちの最近の成績は、成功率85%を越えております。今後益々精進し、難しいといわれている治療が安全に行えるように、そして患者さんに質の高い医療を提供できるよう努力してまいりたいと思っております。

 当科では学会活動を通した研究発表も精力的におこなってまいりました。特に平成19年1月には第17回日本心血管画像動態学会を、平成19年6月には第16回日本心血管インターベンション学会の会長として学会の運営にも携わり、皆様方のご協力のもとに成功裏に終えることができました。日本の医学界に微力ながら貢献することができたことをスタッフ一同、大変名誉なことと喜んでおります。
 また、当科では研修医の教育にも大きな力を注いでおります。平成19年度も初期研修医の先生方には、アメリカ心臓病学会(オーランド)、日本心臓病学会(千葉)、日本心血管インターベンション学会地方会(秋田)、札幌、東京、その他各地で開催されたライブデモンストレーションなど循環器関連の全ての学会、研究会に参加していただき、学会の雰囲気を味わってもらっております。勿論、院内のいろいろな研究会や病棟カンファランスなども充実しております。後期研修医には学会発表はもちろん、3年のスケジュールで心血管インターベンション治療ができるように計画をたてております。近い将来できる予定の新病院に向けて若い先生方の応募を心からお待ちいたしております。

 特任病院長  木島 幹博


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