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認定看護師紹介

過去のシリーズ

 認知症看護認定看護師  田辺晃子

シリーズ7 2015/5/28 ---------------------------------------------------

シリーズ6 2014/6/6 ---------------------------------------------------


シリーズ5 2014/2/26 ---------------------------------------------------
皆さんこんにちは、2月の大雪は久しぶりに雪が降ったなと実感できる降りっぷりでしたね。おかげでこんなにかわいい作品を見ることが出来ました。
さて、今回は、運転免許についてお話ししたいと思います。
平成14年6月1日、警察庁より道路交通法の変更がありました。内容は、「認知症の疑いがある方、もしくは認知症と診断された方の運転免許は、当人もしくは、家族の申請により、適性検査の実施や診断書の提出を行い、取り消し又は経過を見るため停止処分となることがあります」といったものです。
 実際、「運転免許がないと生活できない」とおっしゃる方や、「免許がなくなるなら認知症の診断を受けに行かない」とおっしゃる方もいるようですが、万が一事故を引き起こしてしまうと、申請しなかったことを本人だけではなく、家族も問われることがありますので、運転できなくなった後の生活も含めて、家族でよく話し合っていく必要がありますね。
 

シリーズ4 2013/12/05 ---------------------------------------------------

 〜認知症ってどんな病気〜

 認知症と聞くと、もの忘れ(記憶障害)の病気という答えが返ってきます。間違えではありませんが、加齢に伴う「もの忘れ」と「認知症によるもの忘れ」は区別する必要があります。認知症によるもの忘れは、日常生活に支障をきたしているかどうかが判断の目安になります。多くの認知症は完全に治したりはできませんし、年を取るごとに徐々に進行(悪化)してしまいます。認知症とはどういう疾患か、本人のみではなくご家族の方々にも十分に理解して頂いたうえで、早期からきちんと検査・治療を受けること、ご家庭でも積極的に健康管理をしていただくこと、それによって症状をできるだけ進行しないよう対策をとることが重要です。
しかし、認知症には様々な原因があり、中には治せる認知症もあります。
また、進行を遅くすることができる治療ものもあります。
ですから、おかしいなと思ったらまず、
かかりつけ医へ相談すること、
早期に認知症の鑑別診断を受けることをお勧めします。

シリーズ3 2013/05/22 ---------------------------------------------------
 暖かな季節になりましたね。外にお出かけしたい、そんな気持ちのいい季節です。
外に出て陽にあたり、風を感じ、草花をのんびり見て歩く。そんな時間をつくっていますか?
認知症の方もその家族の方にもこのような時間はとても大切なんですよ。
〜今回は認知症の方とその家族の方のリフレッシュ〜

〈認知症の方〉
 季節を感じる事、昼間の時間を楽しむこと
陽に当たること、体を動かす事はとってもいいことです。
家の中に閉じこもっていると生活リズムの乱れから
認知症の症状が進んでしまうこともあるようです。
家族と友人と散歩でも楽しんでみてはいかがでしょう。
〈家族の方〉
前回お話しした対応のポイント:介護者がストレスをためない
リフレッシュの方法は人それぞれ、少し外に出て季節を感じてみるのもいいですよ。草花でも眺めてみようと思う心のゆとりが認知症の介護には大切です。


シリーズ2 2013/03/23 ---------------------------------------------------
 〜今回は認知症の方への対応のポイントをいくつか紹介します〜

認知症の方は、記憶障害をはじめとした「中核症状」という症状が現れてきます。例えば、時間や場所、人の見当が付けられなくなったり、上手く話せないとか、物が上手に使えないとか、物事を順序立てて考えることが困難になったりします。このような症状によって、認知症の方は不自由な生活をしている事が想像できますか。そこで、認知症の方が不自由しない環境を整えていく事が大切です。
 
対応のポイント
 ・物忘れを責めない、自尊心を傷つけない・・・叱ったり、訂正したり、お説教するのは無意味
 ・得意なことをやってもらう、頼りにされることが大事・・・失敗させない方法を工夫して行う
 ・好ましい接し方を行う・・・分かる言葉を使う、簡潔に伝える、近づいて伝える、納得いくように話す
 ・症状を正しく理解する・・・認知症の方が困っている事に気付く
 ・他の人の関わり方をまねする・・・認知症の介護を一人で抱えず、相談する人、場所があるかが重要
 ・介護者がストレスをためない・・・息抜きが必要!ちょっと離れて、一呼吸。見方を変える事も大切
 *「がんばる」は大事・・・それ以上に大切なことは「どうがんばるか」。
対応のポイントをちょっと試してみてはいかがでしょうか。


シリーズ1 --------------------------------------------------------------
今回は認知症の早期診断・早期治療についてお話ししたいと思います。
認知症も他の病気と一緒で早期診断、早期治療が重要なんですよ。認知症のお薬には認知症をすっかり治す薬はまだありません。しかし、認知症の進行を抑える薬があります。この薬は早期に飲み始めることでより効果があるそうです。そればかりか、認知症の早期から適切な環境で生活することで、認知症の困った症状が起こらないとも言われています。
認知症の困った症状を行動心理症状と言いますが、この症状は環境が大きく影響すると言われています。もの忘れが始まり、認知症の人があれこれ困っている時、怒られたり責められたりする環境より、大丈夫だよとさり気なく支えてもらえる環境にいる方が、困った症状を起こさないと言われています。そればかりか、その後の介護する人の負担にも大きく影響するとも言われています。認知症によるもの忘れが始まってしまったら、初期から適切な関わり方が必要ということですね。
認知症の早期診断のためにも、おかしいなと思ったらもの忘れ外来を受診して下さい。


 緩和ケア認定看護師  久保木 優佳

シリーズ8 2015/09/07 ---------------------------------------------------
暑かった夏も終わり、急に涼しくなりました。夜、耳を澄ますと庭で鳴いている虫たちの声が心を和ませてくれます。
さて、当財団の緩和ケア認定看護師が新たにもう一人誕生しました。私にとってはとても心強くうれしい出来事です。これから二人で協力し、院内の緩和ケアの活動を高めていきたいと思っています。
秋は緩和ケアのイベントが盛りだくさんです。
10月4〜10日は全国ホスピス緩和ケア週間です。当院緩和ケア病棟もこれに合わせ、10月6日に当院緩和医療科の関医師の特別講演会をポラリス保健看護学院メグレズホールホワイエにて行う予定です。当日は私も緩和ケア相談コーナーに待機する予定です。市民の皆さんにもっと緩和ケアのことについて知っていただく、また死生観について考えていただく機会として企画いたしました。ぜひ足を運んでいただけたら幸いです。そのほか、10月31日には東北緩和医療研究会福島大会、11月8日には当院緩和ケア病棟遺族会(星空の会)、11月28日には郡山緩和ケアネットワークの集い〜市民公開講座『終活を考える』〜を行います。今年は忙しい秋になりそうですが、その分、実り多き秋になることを期待しつつ、わくわくしている今日この頃です。

シリーズ7 2015/05/28 ---------------------------------------------------
久方ぶりの更新になります。
木々の葉の緑が目にまぶしい季節です。
5月13日の夕方、「第6回郡山緩和ケアネットワークの集い」をポラリス保健看護学院メグレズホールにて開催しました。今回のテーマは「緩和ケアにおけるリハビリテーション」でした。当院緩和ケア病棟でリハビリを担当しているOTの加藤さんと、現在静岡がんセンターのレジデンントである結城さんのお二人に緩和ケアにおけるリハビリテーションについて熱く語っていただきました。講演の中では、死を覚悟して転院してきた患者さんがもう一度自宅の台所に立ってお茶を入れたいという希望を叶えていくプロセスなどが紹介されました。「緩和ケアとリハビリ??」と思われる方も多いかと思います。しかし今回のお二人の講演を聴いて、緩和ケアリハビリテーションは「最期の時まで患者さんと家族のQOL向上のためのアプローチ」という緩和ケアの定義そのものであると私自身も再確認しました。私はいつも病棟のリハビリスタッフと患者さんに対してプロとして何ができるのかを共に考えて実践しているこのチームを本当に誇りに思っています。
次回の緩和ケアネットワークの集いは、ポラリス保険看護学院メグレズホールにて、11月28日(土)市民公開講座を予定しています。たくさんの方にお越しいただけることを願っています。

シリーズ6 2014/09/05 ---------------------------------------------------
 みなさんこんにちは。前回はまだ夏を迎える前でしたが、夏も終わってしまいました…。学校も2学期が始まり、子育て世代の方は私同様、ホッとしているこの頃かもしれません(^_^;)

 今回は6月に私が研修に行ったオランダのお話をさせていただきます。当院理事長はじめ他3名で、オランダの地域包括ケアシステムを学ぶために研修に行ってまいりました。近年オランダで急成長しているBuurt zorg(ビュートゾルフ)という、地域でケアを展開している企業で研修をしてきました。日本でいう訪問看護ステーションのようなところです。様々なシステムの違いを実感する一方、「文化の違い」「国民性の違い」も沢山感じてきました。ゆえに、オランダのシステムがいくら素晴らしく見えても、もちろん、日本にそっくりそのまま当てはめることなんてできないとも思いました。一番印象深かったのは、オランダ人の「個人の意思の尊重」という部分です。オランダは安楽死が合法化されている国の一つでありますが、その背景にはその人個人の意思を一番に考えるという国民性、文化があるようです。安楽死の話は別にしても、本人が家で最期のときまで暮らしたいと思えば、それを叶えるために地域の医療福祉チームががっちりとサポートし、その思いを叶えられるシステムが、ごく小さな村でも整っていることに驚きました。日本では家族の意思が重んじられる傾向が強いと言えます。本人がいくら自宅療養を望んでも、家族が退院を拒むケースも多いのが現状です。ゆえに本人も家族に迷惑をかけてまで自宅に帰るより…と、自宅での暮らしをあきらめてしまうこともあると言えるでしょう。家族を思いやる、労わりあう、それが日本の文化であり、国民性なのでしょうね。しかし、本当に自分自身が「こう在りたい」という思いを人生の最期の時期でもかなえるためのシステムが整っている事は素晴らしいことだと感じました。

 日本は2025年には3人に1人は高齢者となり、「看取り難民」という言葉が出るほど、高齢者、終末期医療に関する問題が山積しています。星総合病院がこれからもこの郡山の地域に必要とされ続けるために、終末期におけるこの地域ならではの地域包括ケアシステムを整備していく必要があります。我、星総合病院は今まさに、その新たな価値の創造に着手しようとしています。また続報をお届けできたらと思います。

 オランダの風車


シリーズ5 2014/05/28 ---------------------------------------------------
こんにちは。5月ももう終わろうとしています。季節は初夏ですね。日も長くなり、我が家では先日、夕暮れから庭でBBQを楽しみました。夕方になっても肌寒いということもなく、とても気持ちのいい季節です。
 さて今回は前回少し登場した「除痛ラダー」についてお話をさせていただきます。
WHOは1982年、がんの痛みに対してオピオイド(麻薬)を使用する際の原則ルールをこの「除痛ラダー」として起案しました。


上の図のように、痛みの強さに合わせて、徐々に階段を上るようにお薬をNSAIDs薬から弱オピオイド、強オピオイドへと変えていきます。そして、オピオイドが苦手とする痛みの種類をカバーするために、またはオピオイドの効果を更に上げるために鎮痛補助薬を併用して使用していきます。

痛みが強くなるとどうしても不安になり、薬を多く飲むことをためらったりする気持ちが出てくるのは当たり前の気持ちだと思います。しかし「痛みが出ることが悪いことではなく、その痛みに対して何も方略(方策)を持たないことが良くない!!」のです。自分で痛みをコントロールできる!痛みも自分の一部として自分で統制できるという自信をもつことで、暮らし方、考え方も変わってくるのではないでしょうか。痛みを抱えるがん患者さんが一人でも多く、自信を持って痛みを自分でコントロールできるよう、私も頑張って活動していきたいと思います。

シリーズ4 2014/03/04 ---------------------------------------------------
 みなさんこんにちは。2月は大雪で大変でしたが、やっと日差しに春の訪れを感じられるようになってきましたね。私の勤務している緩和ケア病棟のラウンジにも、淡いピンクや紫色のスイトピーやひな人形が飾られ、一足早い春を演出してくれています。
 さて今回はがんの痛みの緩和のお話をさせていただきます。
現在、日本人の2人に1人はがんに罹患し、3人に1人はがんで亡くなるという時代になりました。いわば私たちは、がんの時代を生きているともいえるでしょう。しかし、がんは今、様々な医学の進歩により、がんになったから人生終わりということではなく、「がんを抱えながら生きていく」といった状況になっています。そのがん患者さんの約8割の方ががんによる「痛み」を経験すると言われています。痛みなどの症状を抱えながらずっと生きていくことはとても辛いことです。生きていく人生の質を下げてしまうことにもなりかねません。日本では2007年に「がん対策基本法」が施行され、がんの痛みへの対策(緩和ケア)についても徐々に世の中に広まってきました。しかしがんの痛みに対して麻薬を使うことへの文化的な抵抗や誤解もすっかりなくなったとはまだまだ言い難い状況です。がんになってもより良く生きるための一つのアイテムとして上手に鎮痛薬(麻薬)と付き合っていけたらいいですよね。今回は世界中で標準化されている麻薬の使い方の5つの基本をご紹介します。

 By the mouth(経口的に)
 By the clock(時間を決めて)
 By the ladder(除痛ラダーに沿って)
 To the individual(個別的な量で)
 With attention to details(その上で細かい配慮を)
 鎮痛薬は経口的に、時間を決めて規則正しく、除痛ラダーに沿って、個別的な量へと調整して、
 細かい点にも注意を払いながら投与することが大切です。

このような世界的な決まりがあり、今は安全に麻薬を使って痛みを防いで、がんをコントロールしながら自分の人生を自分らしく生きていくことができるようになってきています。
がんに自分の人生を占領されるのではなく、がんも自分の中のものとして自分でコントロールしていく感覚を身につけていくことのお手伝いをすることも私のミッションであると考えています。
 次回はさらに詳しく麻薬を含めた鎮痛剤についてお話したいと思います。

 

シリーズ3 2013/12/05 ---------------------------------------------------
 こんにちは。だいぶ寒くなってきましたね。朝には冬の匂いを感じている最近の私です。
 10月12日にポラリス保健看護学院のメグレズホールにて「緩和ケアって何?」と題して市民公開講座を開催させていただきました。当日は120人程の参加者があり医療従事者だけでなく、市民の皆さんにもがんのことや死のこと、裏を返せば自分の人生をどのように全うしていくかなどについて一緒に考えていただく貴重な時間となりました。終了後のアンケートでは9割の方々に満足していただけたという結果でした。緩和ケアという言葉は世間一般にだいぶ浸透してきているように思いますが、その中身まではまだまだご存知の方が少ない現状があると感じています。来年もまた市民公開講座を行って皆さんに緩和ケアについて知っていただく機会を作っていきたいと思っています。
 今回はこの市民公開講座で私がお話した内容から一つ。緩和ケアの歴史についてです。
日本における緩和ケアは1980年代にホスピスで実践されてきました。ホスピスは元々、中世ヨーロッパで旅の巡礼者を宿泊させた修道院や小さな教会のことでした。しかし体調不良の旅人がその場でケアされるようになり、ケアの必要な人を収容する場としてホスピスと呼ばれるようになりました。つまり、初めからホスピスは終着点ではなく、旅をつづけるために疲れた心と体を癒すところなのです。ホスピスや緩和ケア病棟と聞くと、「死を待つだけの場所」とか「何もしない(医療行為を)ところ」というようなイメージを持っている方もいらっしゃるかと思います。しかし、そうではありません。がんを直接叩く治療をしないと決断したあと、これからどのように自分の人生を豊かに自分らしく生きることができるか、それをするために辛い症状をコントロールする、病気とともに生きる自分の生活を自分が主導権を握って生活していけるように心と身体そして環境を調整する場所だと考えてください。
 次回は痛みのコントロールについてお話したいと思います。

シリーズ2 2013/08 ---------------------------------------------------
こんにちは。はじめまして!!
つい2か月前の今年7月に緩和ケア認定看護師となりました久保木です。
「緩和ケア」という言葉だけは耳にされたことがある方も多いと思います。
「緩和ケアって?」「緩和ケア認定看護師って何をしてくれる人なの??」
という疑問に少しずつお答えしていけたらいいなと思っています。
がんと闘い続け、たとえ治療法がなくなったとしても、人生は終わりではありません。患者さんが今生きている時間を大切に、穏やかに、あるいは精一杯すごしていただけるよう、そしてそれを見守るご家族が精一杯支えることができるよう、お手伝いすることが私のミッションだと思っています。
私は今、今年1月に開設された、緩和ケア病棟で勤務しています。その方がその方らしく人生の時間を過ごすことができるよう、痛みなどの辛い症状をコントロールしたり、生活する場の調整のお手伝いをしたり、時には不安で押しつぶされそうな気持ちに寄り添ったり・・・。そんなことを日々ケアとして行っています。
そして患者さんとご家族の希望を一緒に大切に思いながら、その実現に向けて病棟スタッフと共に活動しています。

こんな久保木の最近うれしかったことを2つ紹介します。1つ目は、頸部にがんが見つかり、食べ物が通らず、口から食べることができなくなっていた患者さんが、久しぶりに大好きなチョコレートを召し上がった時の満面の笑顔を見れたことです。
2つ目は、プライベートなことですが、水が苦手な小1の娘が一緒にプールで特訓し、バタ足で5mほど進めるようになったことです。
これからも、認定看護師として、母として、日々成長していきたいと思っています。次回から、緩和ケアのお話を少しずつさせてください。

ガーベラの花言葉:「希望」

シリーズ1 --------------------------------------------------------------
 がんになっても「その人らしく生きる」ことを支えたい

 がんと闘い続け、たとえ治療法がなくなっても、人生は終わりではありません。患者さんがその方らしく人生の時間を大切に、穏やかに、あるいは精一杯過ごすことができるよう、痛みなどの辛い症状をコントロールしたり、生活する場の調整のお手伝いをしたり、時には不安で押しつぶされそうな気持ちに寄り添ったり・・・。そんなケアを通して患者さんやご家族と日々かかわっています。
緩和ケアはがんと診断されたその時から受けられるケアであり、終末期に限定されたものではありません。院内の患者さんやご家族、地域の皆様に「緩和ケア」を正しく理解していただくための活動にも力を入れています。
 



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