いたみ診療センター

急性痛を鎮め、慢性痛患者に寄りそう
Relieve acute pain, support chronic pain patients.

いたみ診療センターからのメッセージ

 2025年11月より星総合病院では、県中地域における新たな痛み治療の拠点として、2015年から続く「慢性疼痛センター」と昨年5月より始まった「ペインクリニック」とを統合した「いたみ診療センター」を開設いたしました。

 いたみ診療センターの2つの部門のうち「慢性疼痛センター」では、従来通り発症から3か月を経過しても残存する難治性疼痛に対して多職種チームによる集学的治療を行います。そして「ペインクリニック」では、急性痛から慢性痛まで幅広く麻酔科ペインクリニック医が主体となって診療いたします。これら2つの診療体制にはスタイルの違いはありますが、外来スペースは同じ場所でスタッフも共通のため、患者さんはその症状や背景に合わせて両者の間をシームレスに移行でき、それぞれで最適な診療を受けることが可能となります。

 私たちは、新しい「いたみ診療センター」のモットーを「急性痛を鎮め、慢性痛患者に寄りそう」としました。痛みの感覚は、私たちが生命の危険を回避するためにはとても大切なものです。一方でその感覚は、日常生活の質を著しく低下させるとても不快なものでもあります。私たち診療チームは、患者さんの不快な感覚や辛い気持ちに真摯に向き合い、生活の質を維持・回復するために可能な限り痛みを鎮静・緩和できるように診療していきます。

各部門の紹介

ペインクリニック

特 色

  急性から慢性の痛みまでペインクリニック医が専門的に治療いたします。
通常のレントゲンには写らない病態を超音波診断装置(エコー)を用いて痛みの原因を探索し、その画像を見ながら神経ブロック治療などを行ないます。
また、薬物治療では通常の鎮痛薬に加えて、身体の状態を改善することを目的に漢方薬も併用しています。

対象疾患・症状

運動器に関連した痛み

  • 首・背中・腰・臀部の痛み
  •     
  • 上肢・下肢の痛み(しびれの有無は問いません)
  •     
  • 肩・股・膝などの関節の痛み

頭部顔面痛(頭痛、三叉神経痛などの顔面痛、口腔内の痛み)

会陰部・肛門の痛み

帯状疱疹関連痛(急性、慢性は問いません)

手術や怪我の後に残った痛み

線維筋痛症、複合性局所疼痛症候群(慢性疼痛センターと連携して診療)

顔面神経麻痺、突発性難聴、多汗症など神経ブロックが効く可能性がある疾患

主な治療法

超音波ガイド下 神経ブロック・ハイドロリリース

レントゲン透視下 神経ブロック

高周波パルス療法・高周波熱凝固法

硬膜外ブロック

星状神経節ブロック

脊髄刺激療法

凍結肩に対するサイレントマニピュレーション

医師紹介

深田 祐作(麻酔科医) 星総合病院 ペインクリニック部長 / 慢性疼痛センター長
慢性疼痛センター

特 色

 慢性の痛みに対して運動機能や心理社会的状態も考慮しながら、様々な職種の専門家が連携して治療にあたります。
薬物療法や神経ブロック療法などの一般的な疼痛治療では効果が少ない患者さんには、リハビリテーションや心理療法を主体に服薬指導や栄養指導などを加えて、痛みによる日常生活の困難さを改善していくことを目指します。さらに、痛みのために離職を余儀なくされた方には、痛みの改善に併せて復職の支援も行っています。
 当センターの特色のひとつに「集学的教育入院プログラム」があります。
単発的な外来通院のみでは治療が困難かつ多職種メンバーによる話し合いで必要と判断された場合に行います。入院して集中的に教育的治療プログラムを受けることで、自分の痛みにご自身で対処できるような身体作りと痛みに対する考え方や生活の仕方を身につけることを目的としています。

トピックス

 近年、つらい痛みが長く続く背景には、体の問題だけでなく、「脳の中で意欲や集中力を支える神経の働きが低下していること」が関係している場合があることが、徐々に明らかになってきました。特に、ドパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質は、気力や集中力だけでなく、痛みの感じ方や回復力にも深く関わっていることがわかっています。
 当センター精神科部門の笠原諭医師(東京大学病院 麻酔科・痛みセンター兼務)は、痛みが長引く患者さんの中に、注意力の持続が難しい、活動し過ぎてしまうといった特徴――注意欠如多動症(ADHD)の特性に近い傾向――が比較的多くみられることに着目してきました。そして、ドパミン神経やノルアドレナリン神経の働きを調整する治療(ADHDの特性に着目した治療、ADHD治療薬など)が、慢性の痛みの改善につながる可能性を見出しました。実際の臨床現場において、こうした視点に基づく治療を行い、痛みの軽減や生活の質の改善が認められた例を数多く報告しています。
 さらに近年では、大規模な疫学研究においても慢性疼痛とADHDとの関連が明らかとなり、その成果は世界的な医学雑誌に掲載され、国内外の新聞やメディアでも紹介されました。
 当センターでは、笠原医師の主導のもと、こうした新しい知見をいち早く診療に取り入れ、従来の治療で十分な改善が得られなかった方に対しても、新たな選択肢として多職種による集学的な慢性疼痛治療に取り組んでいます。その一環として、2026年5月より新たに慢性疼痛センター外来に「慢性疼痛・ADHD外来」を併設いたします。「もしかすると自分にもADHDの特性が関係しているのでは」と感じている方も含め、どうぞお気軽にご相談ください。

対象疾患・症状

部位は問わず、発症してから3か月を過ぎても持続している痛みが対象となります。

集学的治療チームのメンバーと専門的治療

麻酔科医師(ペインクリニック/慢性疼痛センター) 神経ブロックを主体とした全般的痛み治療
整形外科医師(慢性疼痛センター) 運動器に関する痛みの専門的治療
精神科医師(慢性疼痛センター) 脳機能変調に伴う痛みの専門的治療
看護師 慢性疼痛に悩む患者さんの心に寄り添う痛み専門看護
理学療法士・作業療法士 一人ひとりの痛みに合わせたペインリハビリテーション
公認心理師 痛みの心理社会的側面への心理的支援
薬剤師 薬物による痛み治療の専門的アドバイス
管理栄養士 痛みに対応できる身体を作る栄養指導
産業保健総合支援センター・ ハローワーク 痛みを治療しながら仕事復帰を目指す

医師紹介

深田 祐作(麻酔科医・常勤) 星総合病院 慢性疼痛センター長 / ペインクリニック部長
矢吹 省司(整形外科医・非常勤) 福島県立医科大学保健科学部教授 / 医学部整形外科学講座教授
高橋 直人(整形外科医・非常勤) 福島県立医科大学附属病院 整形外科助手
笠原 諭(精神科医,非常勒) 東京大学医学部附展病院 麻酔科・痛みセンター 特任臨床医
恩田 啓(整形外科医・非常勤) 善衆会病院 整形外科部長

「いたみ診療センター」に受診を希望される場合には

 「いたみ診療センター」に受診を希望される場合には、ご自身で当院外来予約センターに直接お問い合わせいただくか、現在かかっている医療機関より紹介していただくかの2つの方法があります。ご自身の痛みがペインクリニックと慢性疼痛センターのどちらにかかったらよいのか不明の場合でも、「いたみ診療センター」の受診を希望されれば、こちらで病状を判断し適切に振り分けいたしますので、心配されずにお気軽にご相談ください。

外来診療スケジュール

               
時間
9:00 ペインクリニック ペインクリニック
9:30
10:00
10:30
11:00
11:30
 
13:00 ペインクリニック 慢性疼痛センター

慢性疼痛・
ADHD外来
(毎月第3週)
ペインクリニック慢性疼痛センター

慢性疼痛・
ADHD外来
(毎月第1週)
13:30
14:00
14:30
15:00
15:30
16:00